
「右(又は左)方背向屈曲あり(204)」とは?
概要
「右(又は左)方背向屈曲あり(204)」は、進行する道路が反対向きに連続するカーブ(背向屈曲)を含むことを警告する警戒標識です。簡単に言えば、「右カーブと左カーブが連続している道路がこの先にある」ということを予告する標識です。
実際の運転においては、事前減速とスムーズな操舵が求められます。
最初の屈曲が右か左かによって、標識の図柄が左右反転します。よく似た標識が多いので、まとめて覚えると良いでしょう。
意味
本標識は「右(または左)背向屈曲あり」を示し、直進中に反対方向への屈曲が連続して存在することを意味します。
道路交通において複数回のカーブ操作が求められる区間であることを明確に伝え、安全運転を喚起します。
「背向屈曲」は、「はいこうくっきょく」と読みます。
「背向」は「逆」、「屈曲」は「カーブ」のことで、異なる方向のカーブが連続することを意味します。
運転者が注意すべきポイント
- 事前減速:連続操作に備えて速度を落とす
- ハンドル操作:S字カーブで視線と操舵をスムーズに切り替える
実例
小中学校近隣の設置例


本標識は住宅街にも設置されます。この写真は小学校や中学校近隣の道路で、車が速度を上げ過ぎないように道がジグザグになっているのを喚起するために設置されています。
よく似た標識との違い
この標識には、外観や機能が類似する標識が複数存在しており、それぞれの違いを正確に理解しておくことが重要です。
図柄だけで判断しづらい場合もありますが、描かれている線の形状と折れの回数・角度に注意することで、識別が可能です。
右(又は左)方屈曲あり(202)

右または左に単独で1回曲がるカーブがあることを示す標識。
背向(=反対方向)ではないため、1方向の屈曲のみを表します。
右(又は左)方背向屈折あり(205)

「背向屈曲あり」と似ていますが、こちらは屈曲の角度がより鋭角である場合に使われます。
設置基準上も、曲率の急な折れ曲がりを予告する際に用いられます。
右(又は左)つづら折りあり(206)

こちらは背向に限らず、2回以上の連続屈曲がある場合に使われます。
山岳道路などで頻繁に見られ、屈曲回数が多いことが特徴です。
それぞれの詳細はこちら
設置される場面
この標識が設置される場面は、道路の進行方向上に「右カーブと左カーブ(またはその逆)」が連続して存在し、特に走行中にその変化が視覚的に把握しづらい地形や道路構造にある場合です。たとえば、山間部の中腹にある切通し区間や、森林などで見通しが遮られる道路、あるいは高低差を伴って上下左右に屈曲する地形の道路などが典型例です。
国土交通省の「道路標識設置基準」では、こうした道路の平面形状に変化があり、事故が発生しやすい箇所については、道路形状の変化を予告する標識を「適切な視認距離を確保した位置」に設けることが望ましいとされています(参照:国土交通省『道路標識設置基準』)。
また、郊外の農道や、交通量が少ない地方部の県道などでは、運転者がスピードを出しやすく、視界の先の道路状況を見落としやすいことから、こうした標識の設置が安全確保に直結します。
法的根拠と標識番号(形式情報)
標識番号:204(右または左方背向屈曲あり)
根拠法令:「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」および「道路標識設置基準」による明文化