
「右(又は左)方背向屈折あり(205)」とは?
概要
右(又は左)方背向屈折あり(205)」は、進行方向において、反転する2回のカーブがあり、しかも急角度で屈折(鋭角)している道路が控えていることを警告する非常に重要な警戒標識です。
急屈折の連続曲線では、早めの減速と、連続して右→左へ急激な舵を切り替える操舵技術が求められます。第一カーブの先端を視野に入れつつ、次の動作を適切に行う必要があります。
意味
この標識は「進行路上に、まず急な右(または左)カーブがあり、すぐに反対方向へ急屈折するS字状の連続カーブが控えている」ことを運転者に警告します。
カーブが急であり、連続して操作が必要なため、速度超過やハンドル操作ミスが重大事故につながるリスクが高い道路形状であることを明確に示します。
運転者が注意すべきポイント
- 強制的な減速:急屈折の連続曲線では、高速進入すると車体が安定せず、横滑りや転倒の危険性が高まるため、標識では早めの減速が前提とされています。
- マニュアルなハンドル制御:連続して右→左へ急激な舵を切り替える必要があり、迅速かつ滑らかな操舵技術が求められます。一回の大きな切り替えよりも、細かな戻し操作で車体を安定させることが重要です。
- 視線誘導の戦略的活用:第一カーブの先端を視野に入れつつ、次の屈折点を目視しながら、予測的な操舵が不可欠です。
実例
市街地の設置例


よく似た標識との違い
右(又は左)方屈曲あり(202)

「右(又は左)方屈曲あり(202)」は、運転者に対して、進行方向に緩やかなカーブが1回だけ存在することを予告する警戒標識です。
曲がり具合は比較的穏やかで、ハンドル操作にある程度の余裕が持てる状況を想定しています。
右(又は左)方屈折あり(203)

「右(又は左)方屈折あり(203)」は、1回のみの急な折れ曲がり(急カーブ)を警告する標識です。
こちらも「屈折」という名称が示す通り、緩やかな屈曲とは異なり、直角に近いような鋭いカーブが存在することを示しています。
右(又は左)方背向屈曲あり(204)

「右(又は左)方背向屈曲あり(204)」は、205番と同じく左右に反転する2回のカーブがあることを示す標識ですが、こちらは「屈曲」であるため、曲がりが緩やかで操作にも余裕があることを示しています。
204番の標識図も滑らかなS字を描いており、視覚的にも急カーブではないことが伝わるようになっています。
右(又は左)つづら折りあり(206)

「右(又は左)つづら折りあり(206)」は、3回以上の急カーブが連続するような極めて曲がりくねった道路に設置される警戒標識であり、特に山岳地帯で多く見られます。
「つづら折り」という名称は、古来より日本語で「ジグザグに折れた道」を表現する語で、標識図柄にも3回以上の急な折れ線が描かれています。
それぞれの詳細はこちら
設置される場面
- 鋭いS字が続く山岳道路、または視界が悪い橋梁出口付近などで連続急カーブがある場所に設置されます。
- 国交省設置基準では、「単路部において屈折部の存在を予告する必要がある場合」には205番を設置するよう厳格に定められています。
- また、自動車道標識令では、「背向屈折」の最初の始点の30~120m手前に標識を設置することも規定されています。
法的根拠と標識番号(形式情報)
標識番号:右(又は左)方背向屈折あり(205)
根拠法令:「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」および「道路標識設置基準」による明文化