
「路面凹凸あり(209の3)」とは?
概要
「右(又は左)路面凹凸あり(209の3)」は、舗装された道路の中でも、凹凸が顕著な箇所において車両や運転者の安全を確保するために設置される警戒標識です。
黄色地の菱形に上下に伸びるジグザグ線が描かれており、「路面の状態が滑らかではない」ことを視覚的に示しています。
これは、国土交通省「道路標識設置基準」に明記された方式であり、「舗装された走行速度の高い道路において、路面の凹凸が大きい区間等で注意喚起する必要がある場合」に用いられます
意味
本標識は、進行方向に路面の凹凸が生じており、走行に支障をきたす可能性がある区間、特にバウンドや乗り心地の悪化などが予想されることを事前に運転者に知らせます。
舗装された道路であっても凹凸が残る場所では、車体の安定性が低下し、運転ミス・二次障害の発生リスクが高まります。
これに対し、標識は事前に注意と速度調整を呼びかける役割を果たします。
運転者が注意すべきポイント
- 速度制御を意識する:凹凸により突き上げが発生すると、操舵やブレーキ操作の反応が鈍るため、標識を目にした時点で速度を落とすようにしてください。
- ハンドルの安定性確保:凹凸で急に車輪が浮く・地面に当たるといった現象は操縦性に影響し、特に小型車やバイクでは注意が必要です。
- 視界の先読み:凹凸が直接見えない場合でも、標識があることで「次にそういう区間が来る」と認識でき、適切な走行準備ができます。
- これらは、設置基準文書でも「車両運動に配慮し、走行安定性を守るために注意喚起が重要」と記されています
実例
小中学校近隣の設置例



写真では分かりづらいが、赤い部分が数センチほど盛り上がっている
住宅街や文教地区の狭い道では、地面にハンプと呼ばれる凸状の盛り上がりが設置されている場合があります。
ハンプに気づいたドライバーは自動車を減速させますから、登下校中の児童や歩行者の安全に繋がります。
よく似た標識との違い
すべりやすい(209)

凍結・水濡れ・油膜などによる滑りやすさを示します。
落石のおそれあり(209の2)

沿道からの飛び石・落石に対する注意を示します。
それぞれの詳細はこちら
設置される場面
- 高速道路や幹線道路でも、施工や地盤変化・老朽化などにより路面に凹凸が生じる箇所があります。特に舗装の補修直後や、急激な温度変化・凍結後、また地震の影響などによる“局所的な段差”が発生した箇所に設置されやすくなっています。
- 市街地やスクールゾーンなどのハンプを警告する際に設置されることがあります。
よくある質問
- 警戒標識「路面凹凸あり」があったら迂回すべきですか?
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この標識は、「前方にデコボコがあるから注意しましょう」と警告しているだけですので、迂回を強制するようなものではありません。
上記のハンプの例では、徐行程度のゆっくりとしたスピードで進めば何も問題はありません。
そもそも、狭い一方通行路など、道によっては迂回ができない場合もあります。
法的根拠と標識番号(形式情報)
標識番号:右(又は左)路面凹凸あり(209の3)
根拠法令:「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」および「道路標識設置基準」による明文化